Asahi Shinbun – Besuch von Bundeskanzlerin Merkel In Japan

ウクライナ安定へ連携 独首相、歴史認識に会見で言及 日独首脳会談

2015年3月10日05時00分

 安倍晋三首相は9日、首相官邸で来日中のドイツアンゲラ・メルケル首相(60)と会談した。両首脳は混迷するウクライナ情勢への対応で連携することを確認したほか、両国経済の関係強化を目指すことでも一致した。メルケル首相は歴史認識についても触れ、会談後の記者会見では「過去の総括は和解のための前提になっている」と語った。

▼2面=日独の距離感

▼6面=技術協力に意欲

▼10面=独首相講演全文

▼11面=核不拡散連帯訴え

▼14面=社説

▼38面=天皇陛下と会見

会談は約2時間10分行われた。

日本側の説明によると、この中で東アジア情勢が取り上げられ、安倍首相が北朝鮮による拉致・核問題などを説明した。メルケル首相は、東アジア情勢について「アドバイスする立場にない」と前置きしたうえで、ドイツが戦前のナチスの行為を透明性を持って検証した経緯を紹介した。

会談後の記者会見で、メルケル首相は「(ナチスドイツの)過去の総括は和解の前提になっている。和解の仕事があったからこそ、EU(欧州連合)をつくることができた」と述べ、地域の安定には和解の努力が不可欠であるとの認識を示した。

ウクライナ情勢について両首脳は、親ロシア派と停戦合意したウクライナの平和と安定のため、積極的な役割を果たしていくことで合意。「力による一方的な現状変更は許されない」との立場を確認する一方、平和的解決に向け、ロシアとの対話を継続する方針でも一致した。

過激派組織「イスラム国」(IS)への対応でも、両首脳はテロに屈しない立場を確認。6月にドイツである主要国首脳会議サミット)については、メルケル首相が「テロとの戦いは最重要課題である」と述べ、首相に協力を要請した。安倍首相は「来年は日本が議長国。今年の成果を引き継ぐためにも、よく連携したい」と応じた。会談後の記者会見で、昨年サミットへの参加停止となったロシアの復帰について、安倍首相は「ロシアを含めたG8(主要8カ国)で意味ある議論が行われる環境にはない」と述べ、時期尚早との見方を示した。

安倍首相は会談で、集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制の整備についても説明した。「国際社会の平和と安定に一層の貢献ができるようになる」と伝えた。メルケル首相は「日独協力に新たな可能性が広がることになる。両国の外務省間で、緊密に情報交換したい」と語った。

鯨岡仁

首脳会談に先立ち、ドイツのメルケル首相は9日昼、東京・築地の浜離宮朝日ホールでの来日講演会(朝日新聞社、財団法人ベルリン日独センター共催)で講演した。東アジア諸国の緊張が続く問題を巡り、「あらゆる試みをして平和的な解決策を模索しなければならない」と述べ、関係国に緊張緩和に向けた取り組みを促した。

■<視点>踏み込んだメルケル氏

メルケル首相が今回の訪日で歴史認識にここまで言及するとは、事前には予想されていなかった。首相があえて踏み込んだのは、日中韓の緊張が、地理的には遠く離れたドイツにも看過できない現実的なリスクになっていることの表れだ。

ドイツ政府関係者は訪日前、日本と近隣諸国の関係が取り上げられることを確信できずにいた。慎重なメルケル氏があえて発言し、物議を醸すようなことはしないだろうという空気が流れていた。

だが、メルケル氏は9日昼の浜離宮朝日ホールでの来日講演会で、「東シナ海南シナ海における海路・貿易路の安全が海洋領有権を巡る争いによって脅かされている」と指摘した。質疑応答では、さらに具体的に「アジア」に触れ、「平和的な解決策を模索すべきだ」との考えを明確に語った。

ドイツ新聞で極東特派員だったゲプハルト・ヒールシャーさん(79)は「自国の経験を伝え、今も続く尖閣諸島や竹島の問題などの解決に向け各国が努力をしてほしいという意味を暗に込めた」と分析する。

背景には、東アジアにおける地政学上のリスクの影響が、ドイツにも及びかねないという警戒感がある。ドイツの対アジア貿易で中国は1位、日本は2位。東アジアが不安定化すれば、ドイツ経済も影響を免れない。日本には、歴史に向き合うよう促す一方、中韓へは「寛容さ」を求め、双方の歩み寄りを要請せざるを得ないと判断したとみられる。

(玉川透)

■日独首脳会談のポイント

ウクライナの平和と安定のため積極的役割を果たす

・東アジアの厳しい安全保障環境の認識を共有。メルケル首相がナチスの歴史を検証した経験に言及

・6月の主要国首脳会議サミット)はテロとの戦いが主要議題に

・日独両国にインド、ブラジルを加え、国連の安全保障理事会改革を推進

・日・EUの経済連携協定(EPA)の年内大筋合意を目指す

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