<被災地のいま>住居/仮設なお6万9000世帯

 震災、原発事故の影響が大きい岩手、宮城、福島3県の42市町村では、仮設住宅(応急、民間借り上げ)に約6万9000世帯が暮らしている。岩手、宮城両県では2015年度に災害公営住宅の建設がヤマ場を迎える見込みで、恒久住宅への移住が本格化しそうだ。
仮設の入居世帯は、3年前のピーク時には9万6000あった。当時からの減少幅は全体で3割程度。県別では岩手26%減、宮城37%減、福島18%減となる。
自宅再建や災害公営住宅への移住が進むにつれ、自治体の施策に変化が見られる。
宮城県は、世帯ごとに入居延長の可否を判断する制度を導入する方針。入居5年後からは、市町ごとに一律だった対応を改める。
空き室が目立つ仮設団地もあり、土地の再開発に加えて住民の防犯対策、孤立防止が課題となりつつある。釜石、大船渡、多賀城各市など、団地の集約化や閉鎖を計画する自治体が出ている。
災害公営住宅の完成数は1月末現在、42市町村で4709戸。計画された2万6817戸の2割弱にとどまる。
宮城、岩手で工事完了が最も遅いのは名取市と岩手県山田町。地盤かさ上げなどに時間を要し、工期は18年度までを見込む。福島県では用地選定が進まない地区が複数あり、完了時期が定まっていない。
被災地では資材や人件費の高騰による入札不調も目立つ。各自治体は予定価格に掛かり増しの経費を上乗せするなど、円滑な発注、着工に全力を挙げる。
完成した災害公営住宅では、新たなコミュニティー形成が急務だ。住民の融和、交流に向け、自治会結成やイベント開催が相次いでいる。
宮城県女川町の陸上競技場に整備された災害公営住宅(200戸)はカフェを併設。引きこもりがちな高齢者に外出を促している。

◎宅地2万戸分 供給計画

被災者向けの宅地として、被災3県では防災集団移転促進、土地区画整理、漁業集落防災機能強化の各事業を合わせ、2万819戸分の供給が計画されている。造成工事は今後本格化し、完成のピークは2015、16年度になる見通し。
復興庁は「住宅再建について被災者の意向がほぼ固まった。供給予定数が大きく変動することはないだろう」と見込む。
ことし3月までの完成率(見込み)は岩手13%、宮城22%、福島32%。山林を切り開いたり、大規模にかさ上げしたりするケースもあり、17年度以降も造成工事が続く。
被災地を中心に労務費、建設資材の高騰を懸念する見方が強まっている。工費上昇は新居の再建費に直結し、被災者の不安は大きい。

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