星乃勇介
2016年3月2日03時00分
県内の多くの公立高校で1日、卒業式があった。県教委によると、全日制の卒業予定者は9296人。大槌町の県立大槌高でも、復興への思いを胸に70人がまなびやを巣立った。
同校は、生徒の視点からまちづくりを考える「復興研究会」に全校生徒のほぼ半数にあたる105人が参加。町内の定点観測などに取り組んでいる。研究会は昨年、旧役場庁舎を保存するか解体するかの方針決定の延期を町長に訴えた。
小田島正明校長は式辞で「地域の議論に若い声が大きな影響を与えた。まちの将来を真剣に考えたみなさんは、復興を支える貴重な人材だ」。卒業生代表の紺野堅太さん(18)も答辞で「研究会の活動を通し、つらい被災体験であっても向き合うことが復興につながると知った」と述べた。