舞台は福島、「再生」のドイツ映画 ベルリン映画祭上映
ベルリン=伊藤恵里奈
2016年2月15日07時10分
東日本大震災後の福島県を舞台にしたドイツ映画で、女優の桃井かおりさんも出演する「Fukushima, mon Amour(フクシマ、モナムール)」が13日(日本時間14日)、開催中のベルリン国際映画祭で上映された。
映画は、福島を訪れた若いドイツの女性が、仮設住宅で暮らす年老いた芸者と交流を深めながら、互いに喪失を乗り越え、再生に向かう物語。ドリス・デリエ監督が昨春、福島県南相馬市で撮影した。桃井さん演じる芸者は、岩手県釜石市で「釜石最後の芸者」といわれた故・伊藤艶子さんから着想を得たという。東日本大震災で被災した伊藤さんは仮設住宅で暮らし、今年1月に89歳で亡くなった。
作品はパノラマ部門で上映され、日本での公開は未定。会見でデリエ監督は、「実際に仮設住宅で暮らす方々に撮影に協力してもらい、震災当時のことをたくさん教わった。この大惨事を風化させてはいけない。日本で公開される日がくることを願っています」と語った。(ベルリン=伊藤恵里奈)