<大船渡湾>11.3mの壁 完成間近
2016年10月20日 木曜日

東日本大震災で全壊した大船渡湾(岩手県大船渡市)の湾口防波堤の復旧工事が終盤を迎え、東北地方整備局釜石港湾事務所は19日、現場を報道陣に公開した。本年度末までの完了を目指す。
工事では湾口に長さ244メートルの北堤、長さ291メートルの南堤を整備する。高さ17メートル、重さ約3500トンのコンクリート製土台ケーソン計23個を海に沈め、その上部に海面から高さ11.3メートルの堤を築く。総事業費は約250億円。
根幹のケーソン据え付けは9月に終了。部分的に残る防波堤整備などが進む。資材不足などで当初計画より1年遅れの完了となる。
防波堤は震災前の5メートルと比べ倍以上高くなる。陸の防潮堤と合わせ、明治三陸大津波級の津波防御を図る。同事務所の松渕知副所長は「湾口防波堤ができても全ての津波から守れるわけではない。逃げることが大前提」と話した。