Immer noch in der Kritik, der Deichbau an der Koizumi Bucht

宮城

<復興の虚実(1)>防潮堤[上]隔絶された海 賛否が対立、浜を分断

宮城県内で最も高い海抜14.7メートルの防潮堤。建設の賛否を巡り、住民の間にしこりが残った=気仙沼市本吉町の小泉海岸

 東日本大震災の被災地に、復興の理想と現実が交錯する。発生から6年半、崩壊した風景の再建は進んだが、住まいやなりわいの足元は固まっていない。宮城県知事選(10月5日告示、22日投開票)は、復興完遂に向けた道筋が争点となる。「フッコウ」の掛け声が響く中、沿岸には被災者の苦しい息遣いとやり場のない嘆きが漂う。

◎2017宮城知事選

<「誰も語らない」>
住民の命を守るはずの防壁が地域を分断し、浜に暗い影を落とす。
海抜14.7メートル、長さ800メートル、最大幅90メートル。既に表面の大半がコンクリートで覆われた巨大建造物の上を、ショベルカーや巨大クレーンが慌ただしく動く。
気仙沼市本吉町小泉地区の海岸に、宮城県内で最も高い防潮堤が姿を現しつつある。県は本年度中の完成を目指し、整備を進める。
「今、小泉で防潮堤の話をするのはタブー。もめたくないから誰も語らない」。建設反対を訴え続けた男性(50)が打ち明ける。職場の上司から「防潮堤の話はするな」とくぎを刺され、男性も外部への発言を極力控えるようになった。

<しこりは消えず>
計画が示されたのは2012年7月。「命が大事」と早期建設を求める賛成派と、環境などへの配慮を求める反対派が対立した。
賛成派で、地域の意見集約に奔走した地元の市議(55)は「生々しい津波の記憶が残る中、悩んだ末に出した結論だった」と振り返る。約20回の説明会を経て県は「了承を得た」と判断したが、賛否で生じた地域のしこりは今も消えない。
国の中央防災会議専門調査会が11年6月に示した提言に基づき、県は数十年から百数十年に1度の津波に対応できる堤防の高さを決めた。「津波から命を守る」を旗印に建設に突き進む県の姿勢は、しばしば被災地の反発を招いた。
県が同市本吉町の日門漁港に計画する海抜9.8メートルの防潮堤は、地域住民の反対で着工のめどが立たない。長さ280メートルの防潮堤を築くと、国道から海や港が見えなくなる。
今年5月に地元の公民館であった説明会。県は2メートル間隔で壁に小窓を設ける修正案を示したが、住民は納得しなかった。地元の漁師(69)は「景観は宝。小さな窓では海の様子は分からない。県はわざと騒ぎの種をつくるのか」と憤る。
「選択肢がない状況で、住民に是非を迫るのは問題だ」。大谷里海づくり検討委員会事務局長の三浦友幸さん(37)は、県が一方的に計画案を示すやり方に疑問を感じている。

<歩み寄りに時間>
三浦さんらは大谷海岸に防潮堤を築く県の計画に反対した。砂浜を守るため、建設位置を内陸に移して国道との「兼用堤」とする対案を出し、粘り強い交渉で実現させた。意見集約から交渉まで5年。三浦さんは「行政と住民が歩み寄り、信頼を築くには時間も必要だ」と訴える。
防潮堤に守られる住民から批判を浴び、時に浜の分断を生みながら、県は淡々と整備方針を貫く。各地の浜に出現し始めた巨大な壁が、異論をはね返す。
気仙沼市議の今川悟さん(42)は「県にとっては単なる土木事業の一つだが、住民にとって防潮堤は街づくりの一つ。浜ごとの思いをくみ取ってほしかった」と批判を強める。(気仙沼総局・大橋大介)

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